これが次世代のエレキギター!?ロボットギター
こちらは一番初代のロボットギター。色々光ったりしてかっこいいです。
ロボットとは言ってもロボットに変形してくれたりするわけではなく、自動でチューニングをしてくれるエレキギターです。
残念…
日本では使っている方をほとんどみかけないんですけどね。
タカミーことTHE ALFEEの高見沢さんが使っているらしいです。さすが変なギター好き。
というかかなりのギターコレクターらしいので、大抵の物はタカミーさん持ってそうですけど。
意外に先進的なことをやってのけたGibson社
初代ロボットギター全体。表から見る分には、普通のレスポールとほぼ変わらない(色はちょっと変わってるけど)
造ったのはなんと、かのGibson社なんです。(以下ギブソン社)
こういうの造るとしたらフェンダー社か、ESPさんやシェクターさん辺りなどの先進的なところだと思っていたのですが。
登場自体は結構前で、2007年頃だったように思います。数量限定品として発売されました。
その頃はよくギブソン社のホームページを見ていて、ティザーサイトの動画を観てテンション上がった記憶があります。
使い方はすごく簡単。
ロボットギターのリアトーンのノブがスイッチになっています。
通常時は通常のレスポール同様リアトーンとして働きますが、スイッチが入るとはマスターコントロールノブとして働き、チューニングモードに入ります。
(スイッチって言い方しているのはモデルによってボタンになっていたりプッシュプルになっていたり違うからです)
後はぼろろーんって開放弦を6弦全部鳴らしてやると、ペグが ウィーンウィーン って勝手に回ってチューニングを合わせてくれます。
自動チューニングというか、ギターによるセルフチューニングって感じでしょうか。
変則チューニングは?
ロボットギターはレギュラーチューニングの他
半音下げ・ドロップD・ダブルドロップD・オープンD・オープンE・DADGAD(いわゆるダドガド)の
6種の変則チューニングに対応しています。
レギュラー以外のプリセット6種は、自分で好きな様にカスタマイズもできるとかできないとか。
後でも書きますが、手回しでチューニングも一応可能なので 『 あのチューニングができない! 』 ということはありません。
ロボットギターは充電式
ペグを回したり、チューナーとしての機能には当然電源が必要です。
が、ロボットギターは電池ではなく、充電式というスタイルを採用しました。
いいことだと思います。
だって、こんな最新の技術なのにまだ電池かよ、って興ざめしそうですし。
公式のプレスリリースで90分でフル充電で、200回のチューニングが可能と言われているとか。
しかしながら販売は不振…
すごく画期的なロボットギターですが、販売面ではそれほどふるいませんでした。
鮪は今後このシステムがギター業界を席巻していくかと思いましたが…
というのも、高価だったのと、一番初期の物が細かい使い勝手の部分で評判が悪く、ギタリスト達に悪い初印象を与えてしまったんですね。
以下その評判の悪かった部分のまとめ
重い。ちょっと重いよこれ。
チューニングシステムで色々載せたせいで、多少ではありますが重さが増してしまったのです。
ただ重くなっただけなら、元々重いレスポールですしあまり気にならなかったかも知れません。
が、問題はヘッドの重さ。
ペグも特殊でコンピュータも積んでいるので、どうしてもヘッドが若干重くなってしまうのです。
これによって重量のバランスが崩れて、ヘッド落ちが起きやすくなってしまいました。
ヘッド落ちはベースだとままあることですが、エレキギターではあまりないことで、慣れないギタリストらに結構不評でした。
新型が出る度に軽量化が施されて、今ではかなり改善されているようなのですが。
ペグ手回しに注意
普通と同じようにペグのツマミはあるのですが、不用意に手で回してはいけません。
無理に回したりしたことに起因する故障が結構多かったようです。
充電切れの時や特殊なチューニングをしたい時なんかはツマミを引っ張ってあげれば
普通のギターと同じようにペグが回せる設計だったんですけどね…
持ち主本人はいいとして、それを知らない第三者がいじっちゃったりして壊れちゃう、というパターンが結構あったようで。
使い方の問題といえばそうなのですが、これによる故障の多さもまた評判が悪くなる一因でした。
この辺りも改善されて、DARK FIREなど最近のモデルは特に何もせずとも普通に手でも回せるみたいなんですけどね。
色々不評な点はあったとはいえ、やっぱり魅力的。
とまぁ、普通紹介するときこんな悪いところなんか書くか?って感じでしょうが、今書いた弱点は大体初代ロボットギターのことで、
新しいモデルが出る度に改善が図られ、使い勝手もかなりよくなっているようです。
今ではロボットギターも種類が増え、
レスポールスタジオやSG、エクスプローラー、ファイヤーバードバージョンも登場しています。
フライングVとエクスプローラーは赤一色のみですが、レスポール・SGは結構カラーバリエーションあります。
それに、何より多少の弱点があったってかっこよければそれでいいのです。
ブリッジ周りのパーツやなんかも専用の物をつかっていますが、
弦高調整、オクターブ調整、テンション調整も普通のギターの同じようにできますし。
初の自動チューニングシステム?
実はロボットギター自体は自動チューニングシステムの走りではないんですよね。
ロボットギターが出るよりももっと古くに、かのジミー・ペイジがプロトタイプ自動チューニングシステム
トランスパフォーマンス社製 DTS-1(現AxCent Tuning Systems)を搭載したレスポールを使用しています。
このシステム自体は1990年頃にはすでに存在したようですので、ロボットギターよりも十数年、二十年近く前にはもう存在していたのです。
本記事で余り長くなってしまってもアレなので、DTS-1についてはまた機会があった際にご紹介しましょう。
しかし、ギブソン社といえば永遠のライバルであるフェンダー社に比べ技術的に遅れ気味というか、
モダンというよりもトラディショナルな方向性にあると思っていたので、ロボットギターが出た時はビックリしました。
同じ頃フェンダー社もRolandさんと組んでV-Guitarなるものを出していて、これもなかなか画期的でしたが、
まさか自動チューニングを仕込んでくるなんて。
まだまだ保守的なギタリストが多い中、こういう先進的な物は受けいれられづらいギター業界ですが、
もっと手頃な価格になっていけば、車のマニュアルとオートマの様にどんどん入れ替わっていくのではないかと思います。
ちゃお!
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